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冥王星が水瓶座へ~風の時代といわれる3つの要因

11月20日に冥王星が水瓶座に入り、「風の時代の本格的な到来」を意識されている方も多いのではないでしょうか?

 

現在が「風の時代」の始まりと言われる3つの要因について考えてみました。

西洋占星術に興味をお持ちの方ならば、周知の内容化と思いますが簡単に整理しておきたいと思います。

 

1.冥王星の水瓶座移動

 

ここしばらくの間、冥王星は山羊座と水瓶座の境目を行ったり来たりしていました。

この影響で、山羊座の最後あたりの度数から水瓶座の初期度数に出生天体や重要な感受点がある方は、様々な影響を体験されたことと思います。

 

私は出生図の月が蠍座の1度にあるため、突然の体調変化とそれに伴う仕事面の変化を余儀なくされ、冥王星の影響を実感しました。

 

◎冥王星のサイン移動

2023年3月24日   山羊座⇒水瓶座

2023年6月11日   水瓶座⇒山羊座

2024年1月11日   山羊座⇒水瓶座

2024年9月2日     水瓶座⇒山羊座

2024年11月20日 山羊座⇒水瓶座

 

冥王星は11月20日に水瓶座に入った後、2043年3月9日に魚座に移動するまで、約19年間は風サインの水瓶座を運行し続けます。

「風の時代の本格的なはじまり」と、喧伝される1つの要因です。

 

もちろん、「風の時代のはじまり」とされる理由はこれだけではありません。

 

2.木星と土星の会合・・・グレートコンジャンクション

 

まず、西洋占星術では黄道12サイン(星座)が、火・地・風・水の4つのエレメントに分類されます。

一方、黄道12サイン上を運行する木星と土星は、異なった公転周期を持ちますが、20年ごとに接近し、重なります。

 

この会合を西洋占星術では「グレートコンジャンクション」(大会合)と呼び、200年間は、同じエレメント内で続いていきます。

 

直近のグレートコンジャンクションは、2020年12月22日に風のサインである水瓶座の0度台で起こり、これ以降の約200年は、風のサインでの大会合が続きます。

これ以前の約200年、グレートコンジャンクションは1802年~2000年まで、土のサインで起こっていました。

*但し1821年は牡羊座で火のサイン、1981年は天秤座で風のサインで起こりました

 

天王星が発見された1781年以前、太陽系の最も遠い所にある惑星は土星でした。

土星はいわば、広大な宇宙と太陽系を隔てる壁のような存在として捉えられていたのではないでしょうか?

 

一番遠い土星とそれに次ぐ木星が、約20年毎に重なることは変化の節目と考えられても不思議ではありません。

 

また、グレートコンジャンクションが1つのエレメントから次のエレメントへと移行する200年の周期は、更に大きな時代の変化を象徴すると考えられます。

この約200年の周期のことを、「ミューテーション」と呼びます。

更に、ミューテーションが4回繰り返されて、4つのエレメントのサイクルが1周すると「グランド・ミューテーション」となります。

 

2020年12月22日のグレートコンジャンクションが起こった水瓶座は、風の不動サインで、革新や自由、未来志向、グローバルな社会を象徴します。

新しい価値観の誕生、それを支える知識や情報テクノロジーやコミュニケーション、グローバルな繋がりを基盤とした社会に進んでいくのではないかと予測されています。

 

これまでの地の時代は、産業革命以降の物質主義的価値観の拡大や、それを支える経済・社会システムの構築が大きなテーマでした。

もちろん多くのメリットを享受してきましたが、200年を経過し、自然環境の破壊や地球資源の枯渇など、マイナス面も露見してきたタイミングでの風の時代の始まりです。

 

今後、風の時代の価値観にシフトすることにより、どのような変化が社会と個人におこるのでしょうか。

人間の一生では200年の変化を体験することはできませんが、生きやすい社会と地球に進化、成長していくことを願わずにいられません。

 

3.水瓶座の時代の始まり・・・地球の歳差運動による春分点の移動

 

地球の自転軸は公転面に対して、約23.4度傾きながら約25,772年の周期で一回りしています(プラトン年)。

ちょうど、コマが回る時に芯棒が傾きながら頭を回していく様子をイメージすると理解しやすいです。

 

このため、春分点は少しずつ背景のサイン(星座)の中を逆行して移動するのですが、この移動にかかる時間は72年に1度です。

1つのサインは30度ですから、72年×30度=2160年毎に次の星座に移動するということになります。

 

天文学的な現象であると同時に、哲学的、精神的な象徴として時代の大きな節目と捉えられています。

この考えに基づくと、現在は「水瓶座の時代」の初め頃あるいは、移行期といわれています。

*紀元前1世紀~現在は魚座の時代。

 

魚座の時代はキリスト教などの宗教が起こり発展した時代で、個人の自由よりも他者への献身や共感が強調された時代。

水瓶座の時代は、個人の自由、未来志向、科学技術の革新やネットワークが重視される時代といえるでしょう。

 

2160年後は今の私達がイメージできる限界を超えていると思いますが、地球や地上の人類や動植物にとって、生きやすい社会環境であることを願います。

 

◎風の時代と水瓶座の時代はどう違うのか

 

風の時代は、2020年に木星と土星のグレートコンジャンクションが水瓶座で起こったことに端を発します。

今後の約200年は、風のエレメント(双子座、天秤座、水瓶座)でグレートコンジャンクションが起こることが、「風の時代」といわれる所以です。

 

一方、水瓶座の時代は、地球の歳差運動による春分点の位置の変化でこちらは、2160年という長期間のスパンでの現象です。

現在は魚座から水瓶座への移行期もしくは、水瓶座にはいったばかりとも言われています。

 

風の時代と水瓶座の時代は、全く別の発生理由と時間軸を持ちますが、両者が重なったことで、人々の意識変化や新しい社会への移行に拍車がかかっている状態といえるでしょう。

短期的には、11月20日に冥王星が水瓶座に入りきったことで、時代の変化を実感しつつあるのではと思います。

 

◎プラトン年のサイクルと人の生命の呼応

 

ルドルフ・シュタイナーの研究では、宇宙と人の生命について密接な繋がりを見出しています。

まず、人は1日に25,920回呼吸するといわれており、これは地球の歳差運動が1周するサイクルとほぼ同じです。(平均的な呼吸回数をもとにしたもの)

 

25,920÷24÷60=18

で、1分間に18回の呼吸という計算になります。

ちなみに、私は自分の呼吸を数えてみましたが、安静時に呼吸をして1分間に9回でした。

呼吸を意識しない日常生活や仕事中では。呼吸は一定の速さではありませんから、18回ぐらいになるのかもしれません。

 

また、またシュタイナーは春分点移動の72年のサイクルは、人間の典型的な寿命と一致すると述べています。

ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)が生きた時代の72歳は人生を生き切るのに必要な理想的な寿命だったのかと思います。

 

2024年の健康寿命は、男性は72.7歳、女性は75.4歳ですから、今も宇宙のリズムと人体は繋がりを持っているのだと感じます。

 

宇宙の周期と人の生命のリズムは繋がっています。

私達は、孤立した存在ではなく宇宙のシステムの一員で、互いに呼応して存在しているのだと思います。